クリアファイルが防災・防犯ホイッスルになるまで

タイヨーは、使い終わって余ったクリアファイルを防災・防犯用のホイッスルに作り変えています。ファイルの樹脂を細かく砕いて成形すると、いざというときに音で居場所を知らせる笛になります。

ペーパーレスが進み、クリアファイルを使う機会は年々減っています。その行き先を防災・防犯グッズに変えました。名古屋のタイヨーが取り組む、身近なものを価値に変える一例です。

使わなくなったクリアファイルはどこへ行くのか

きっかけは、行き場をなくしていくクリアファイルという困りごとでした。コロナ禍のあと、テレワークやペーパーレスが広がって紙の資料をやりとりする場面が減りました。あわせて、資料を挟むクリアファイルの出番も減っています。

この流れはこれからもしばらく続くと考えています。棚に残ったまま、使われないクリアファイルが増えていく。同じことがあちこちの職場で起きています。

私たちはこれまでも、手元に残った素材を新しい価値を持つ製品へ作り変えてきました。例えば、店舗や工場でドリップ後に残るコーヒーかす、抽出したあとの茶葉です。お預かりして、コースターやボールペンの軸にしてきました。

アップサイクルとは、余った素材や使い終わったものにデザインやアイデアで新しい価値を加えて別の製品に作り変えることです。原料に戻すリサイクルとは目指すところが違います。

使い終わったクリアファイルを見ながら、「次は何をつくれるだろう」と考えました。そうして製品化に取り組んだのが、この身近な素材でした。

なぜ防災・防犯ホイッスルだったのか

使い切れなかったものの行き先を、困ったときに本当に役立つものにしたい。そう考えて思いついたのが、防災や防犯に使えるホイッスルでした。

きっかけは能登半島地震のあとの報道です。がれきや倒れた家屋の下から助けを求めても、声がなかなか救助者に届かなかったと伝えられました。

声を出し続けるのは体力を消耗します。笛なら少ない力でも遠くまで音を届けられます。どの家にも一つあっていい、いざというときに本当に役立つもの。

クリアファイルという平たい樹脂の行き先として、これ以上ないと思えるものでした。「もったいない」のその先へ、という私たちの発想です。ただ捨てられるはずのものを減らすだけでなく、その先で人の役に立つものに変えたいのです。

このホイッスルは、企業や店舗が販促や記念に配るノベルティ(オリジナルのグッズ)としても使えます。自社に残っていたクリアファイルを素材にして名入れすれば、防災への備えと会社の思いを来場者や社員に一緒に手渡せます。

お預かりしたクリアファイルがホイッスルになるまで

製品になるまでの流れは、クリアファイルをお預かりするところから始まります。

集まったファイルは、まず細かく砕いて粒状のペレット(成形しやすいよう小さな粒にした樹脂)にします。その粒を金型に流し込み、笛の形に成形します。

クリアファイル約2枚でホイッスルが1個できます。大きさは幅約1.5cm、長さ約5cm、厚み約0.5cmほどで、カバンやネームホルダーに付けられる手頃なサイズです。

大事なのは、原料に戻して終わりにしないことです。平たいクリアファイルを、音で人を助ける道具へ作り変える。ここがアップサイクルの、その先の価値にあたります。

笛としてしっかり音が鳴るまで、何度も試作して音を調整しました。ただ形にするだけでは、助けを求める場面で頼れる道具になりません。

この取り組みは、樹脂の端材を製品に変える私たちの活動の一つです。大阪で開かれた文具の展示会に並べたところ、来場者から好評をいただきました。

手放したものが役に立つ形に生まれ変わる

オフィスで役目を終えたものが、人を助ける道具へ生まれ変わる。そこがこの取り組みのおもしろいところです。使い道が見えなくなっていたクリアファイルが、防災の場面で音を鳴らす笛に変わる。捨てずに、次のだれかの安心につなげられます。

同じ考え方はクリアファイルだけにとどまりません。コーヒーかすも茶葉も、素材ごとに向いた製品に作り変えられます。企業や店舗にとっては、行き場のなかったものが配って喜ばれる防災ノベルティや販促グッズに変わります。

プラスチックの使用量を減らす減プラにもつながり、防災への備えと環境への配慮をひとつの製品で伝えられます。

私たちは110年、紙からトランプ、ノベルティへと、ものづくりを続けてきました。クリアファイルから生まれる防災・防犯ホイッスルも、その延長線上にあります。

使い道の見えないものに行き先はある

使い終わったものは、そこで役目を終えるとは限りません。捨てられるはずだったクリアファイルが、いざというとき人の命を守る笛になる。私たちがしているのは、その一つひとつに新しい行き先を見つけることです。御社で使い道の見えないものが眠っているなら、何に変えられるか、一緒に考えるところから始めましょう。

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よくある質問

Q. 使い終わったクリアファイルは何に作り変えられますか

A. 使い終わったクリアファイルの樹脂を砕いて成形し、防災や防犯に使えるホイッスルに作り変えています。私たちはコーヒーかすや茶葉をコースターやボールペンの軸にしてきた前例もあり、眠っていた素材を別の製品に変える取り組みを続けています。

Q. クリアファイルのホイッスルはどうやって作るのですか

A. お預かりしたクリアファイルを細かく砕いて粒状にし、金型に流し込んで成形します。災害時にしっかり音が鳴るよう、何度も試作を重ねて音を調整しました。粉々にして終わりではなく、別の道具に作り変えるのが特徴です。

Q. アップサイクルとリサイクルはどう違うのですか

A. アップサイクルは、余った素材や使い終わったものにデザインやアイデアで新しい価値を加えて別の製品に作り変えることです。原料に戻すリサイクルとは目指すところが違います。クリアファイルを防災・防犯ホイッスルにするのがその一例です。

Q. クリアファイルのホイッスルは、ノベルティとして配れますか

A. 配れます。防災・防犯ホイッスルは、企業や店舗が販促や記念に配るノベルティ(オリジナルのグッズ)としても使えます。自社で使わなくなったクリアファイルを素材にすれば、防災への備えと会社の思いを社員や来場者に一緒に手渡せます。